Red Letter Day

ふと顔を上げるとあの子が通り過ぎようとしていた。
挨拶をしようと言葉がそこまで出かかった瞬間
あの子は俺以外のそこにいた人の方を見て挨拶をした。
俺の方は見なかった。出かかった挨拶も飲み込んだ。
諦める勇気も無いし、踏み出す勇気も無い。
色んな事を自分に都合良く解釈して弾みをつけたいのに状況がそれを許さない。
あの子が好きだ。この気持ちは変わらない。
でも、そこから一歩も踏み出せないでいる。
そんな中、他の子が俺に好意を寄せてくれてると聞いた。
ホント申し訳ない。こんな俺に。
でも、好きと言われるのは嬉しい。
申し訳ない、嬉しい。気になるし、優しくしてあげたくなる。
あの子もこんな気分だったんだろう。少しわかった気がした。
それを勘違いした俺は勝手に右往左往してたんだろう。
好きと言われるのは嬉しいし、その気持ちに答えてあげたくなる。
でも、今の俺には出来ない。やっぱりあの子が好きだから。
正直あの子に拒絶されたら立ち直る自信も無いし
その先、また誰かを好きになる自信も無い。
それでも答えを知りたい。君の声で言葉で知りたい。
だから、全ての事を自分に都合良く考えてぶつかってみよう。