つづきの一歩

「○○さーん、昨日はお疲れ様でした。ありがとうございましたー!」の声。
振り返ればそこにはあの子がいつもの笑顔で立っていた。
いや、今までよりずっと良い笑顔に俺には見えた。
良かった…昨日の発言がマイナスに作用して気まずくなる心配もあったが前より状況は良くなった。
ルンルン気分でスキップしながら自分の職場に帰る途中に思いつく。
「うわ、『また飲みに行こうね!』とか『今度は二人でドライブしよ?』とか言えばよかったんじゃねーか?」
何て気が利かないんだ、俺は…何で次に繋がる約束を出来ないんだ…。
話し掛けられた事に満足して舞い上がっちまった俺。
どうも本人を前にすると空回りしてしまう。
いや、でもどうだろう?俺が二人っきりの約束をしたらあの子はどんな顔をするんだろう?
ダメだ!困った顔をして断るあの子の顔しか浮かんでこない…。
それでも好きになって良かった。あの子を好きになって良かった。
この恋がどうなろうとも俺があの子を好きになって後悔は無い。
明日は魔の月曜日。だが、会社に行くのが楽しみで仕方ない。
明日はあの子に会えるだろうか?どんな会話が出来るだろうか?
笑ってくれるだろうか?それだけで俺は生きていける。