一目見てFALL IN LOVE……

ぁぉぃ……

強制断食を始めて何日目か、僕はアパートの中を残り少ない体力で探索しまくった。
本棚をひっくり返し、CDラックをブチまけ、長年開けてない机の引き出しを開け
探しまくった。必死に探しまくった……売  れ  る  物  を  !






そしたら、金があった時に買った漫画本がいくつか出てきた。
20世紀少年にバトルロアイアルに名探偵コナソが5冊。
そして、俺のCDラックの最後の砦のCD4枚を握りしめ僕は走り出した。
京成のみどり台駅から電車に飛び乗り、千葉中央駅で飛び降りた。
そして、駅前の古本屋に飛び込み5冊を売りにだし
向かいのディスクユニオンにCDを売りだした。これが転機となった。
これが奇跡の2950円の値を付けた。
ある意味、俺の息子とも言えるこの漫画とCDは僕の脳の栄養となり
今まさにお金に姿を変え、僕の体の栄養となったのだ。。。






そして、再びみどり台へと舞い戻った僕ははやる気持ちを抑えつつ
近くのミニストップへと駆け込んだ。やっと、飯が食えるんだ・・・。
溢れそうな食欲を抑えながら、まず俺はFAXを送る用があったのでFAX機の前に立つ。
FAXを送り終えたので、精算する為にレジに向かう。
すると、そこに天使がいた・・・。
鈴木えみと見まがう天使がいた。
ミニストップの制服の下に見える白い太モモ。その下にルーズソックス。
女子高生のバイトのようだ。いや、ここで慌てちゃいけない!
冷静にFAXの精算をしなくては!「ファックスの精算したいんですが・・・」
と、切り出す正にその時、悪夢が起きた・・・。





数日間の間、飯も喰わず引き篭もって人と会話をしていなかった俺は

「フ、フ、ファ・・・ファ……ファック!ファック!」

と、しかも裏返った声で言ってしまったのだ。
せめて、幸運だったのは「あ、ファックスですか?」と、聞き返してきた
その天使が微笑んでくれた事と、その天使に「ファック(ス)」
と、卑猥な言葉を言わしめた事だろう。

今後、俺はあのミニストップに通う。あの子が僕に微笑んでくれる限り……